Column
Category
- I.NCSを知る
- 制度の基礎と仕組みを学ぶ - NCSとは何か? (4)
- NSNとNCAGEの基本 (1)
- STANAG (3150~) の役割 (0)
- 日本の制度との関係性 (1)
- II.NCSの最新動向
- 国際ルールと制度のいま - III.実務と事例で学ぶ
- NCS活用の現場から - NMCRLを使った市場調査 (1)
- 協会支援の活用事例 (1)
- 輸出関連の手続きサポート例 (0)
- IV.用語と制度のポイント解説
- Codification Contract Clauseとは? (1)
- NCAGE取得の注意点とFAQ (0)
- 用語解説 (7)
- V.これからのNCS
- 技術と制度の未来 - 我々のこれから (1)
- VI.Voices from Our Colleagues
- 世界の専門家たちに学ぶ - 他国との協力・相互運用の現状と展望 (2)
- 海外業務レポート (5)
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- 海外業務レポート (5)
新年のご挨拶と我々について
年頭のご挨拶と昨年度のご報告、そしてこれからの取り組みについて
目次
1. 年始のご挨拶と御礼
新年あけましておめでとうございます。
平素より一般社団法人日本類別協会の活動にご理解とご支援を賜り、心より御礼申し上げます。
年始にあたり、あらためて昨年度の活動を振り返るとともに、本年の目標、そして当協会を立ち上げるに至った背景について、少し個人的な想いも交えながらお伝えしたいと考え、本稿を執筆しました。
防衛・安全保障を取り巻く環境が大きく変化する中で、業界に関わる皆さま一人ひとりが日々多忙な業務・判断を迫られていることと思います。そのような中で、本協会の活動がわずかでも皆さまの実務や意思決定の一助となっていれば、これに勝る喜びはありません。
2. 昨年度を振り返って
昨年度は、協会として本格的に活動をスタートさせた一年となりました。
具体的には、
- ・NMCRLを用いた市場調査・類別情報に関する情報提供
- ・NATOカタログ制度(NCS)に関する問い合わせ対応や解説
- ・装備品・構成品の海外展開を見据えた海外調査
- ・SAM(System for Award Management)登録に関する支援・相談対応
といった分野を中心に、オンラインセミナーや、DSEIで行われた個別のワークショップを通じて多くの企業・関係者の方々と接点を持つことができました。
印象的だったのは、「制度の存在は知っているが、実際にどう使えばよいか分からない」「断片的な情報はあるが、全体像を整理して理解する機会がない」といった声が、企業規模を問わず多く聞かれたことです。
これは決して個々の企業努力が不足しているという話ではなく、むしろ情報やナレッジが構造的に分断されていることの表れだと感じています。
3. 現場で見えてきた課題と手応え
活動を通じてあらためて実感したのは、防衛産業が持つ「サイロ化された構造」です。
技術、開発、商談、契約、輸出管理、標準化――
それぞれが高度に専門化している一方で、それらを一連の流れとして横断的につなぐ知識や視点が不足している。もちろん、情報保全や安全保障の観点からそのようにせざるを得ないのですが、結果として、国が推進しようとしている装備品の移転や国際協力と、現場レベルの実務との間にギャップが生じているように思われます。
一方で、将来への希望も感じています。これらを専門とされている方々からのお話を伺うたびに、ナレッジを集約し、整理し、共有する“場”の必要性を強く認識しました。このギャップを認識されている方々が増えつつある、ということです。
また、国際的にも日本への期待の高まりを感じました。Made in Japanは相変わらずのブランド力を持っており、その確かな品質への評価から、物品そのもののみではなくライフサイクル管理にも視線が移っていくのは想像に難くありません。彼らにとっては閉ざされた極東の地に思えるかもしれませんが、モノや結果を通して期待や信頼を重ねていることを肌で感じた次第です。
4. なぜこの協会を立ち上げたのか
防衛産業において、「補給」や「標準化」「類別」といった分野は、装備品そのものと比べると、表に出る機会が多いとは言えません。しかし、これらは組織や制度を下支えする基盤的な要素であり、その整備状況が実務の効率性や国際連携の成否に大きく影響することは、現場に携わる多くの方が実感されているのではないでしょうか。
私自身、これまで類別や標準化に関わる業務に携わる中で、制度や仕組みそのものよりも、「それをどう理解し、どう使いこなすか」という点に課題があると感じてきました。個々の制度やルールは存在していても、それらが体系的に整理され、共有される場は必ずしも十分ではありません。特に現在、国として装備品の移転や国際的な装備協力を推進しようとする中で、政策的な方向性と、現場レベルの知識・実務との間に見えにくいギャップが生じているように思われます。
このギャップは、個々の企業や担当者の努力だけで埋めるには限界があり、業界全体として知識を蓄積・共有する仕組みが求められているのではないかと感じています。そのような問題意識から、営利を主目的とする組織ではなく、公共性と中立性を備えたナレッジハブとして機能する組織の必要性を強く感じるようになりました。そこで選択したのが、非営利型の一般社団法人という形です。
本協会は、類別・標準化といった分野を切り口に、制度や情報を「点」ではなく「線」や「面」として捉え直し、実務に活かせる知見として整理・共有することを目指して設立されました。業界内に散在する知識をつなぎ、共通言語として再構築する――その役割を果たすことが、協会の存在意義であると考えています。
5. 今年度の目標と、協会が目指す役割
昨年度の活動を土台にしながら、以下の点により注力していきたいと考えています。
- ・NCSやNMCRLを含む標準化・類別情報の体系的な発信
- ・実務者目線に立った解説・支援の充実
- ・企業間、官民間をつなぐ知識のハブとしての機能強化
制度は目的ではなく、あくまで手段です。重要なのは、それを使って何を実現するのか。その視点を常に忘れず、現場に寄り添った活動を続けていきます。
6. おわりに:業界の皆さまへ
防衛産業界からみれば、本協会は新参者であり歴史も専門的な技術もありません。時代に寄り添った新たな視点を用いて、業界に新たな「枝」を増やすことができればと思っております。
今後は、国際的な連携や共通理解がこれまで以上に求められる分野です。本協会が、その一助となることを願いながら、今年も一歩ずつ取り組みを進めてまいります。
ご意見やご相談があれば、ぜひお気軽にお声がけください。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
本コラムの著作権は、一般社団法人日本類別協会に帰属します。無断転載・複製を固く禁じます。
YOUSUKE HATTORI
About Me
1985年東京都生まれ。一般社団法人日本類別協会代表理事。学生時代よりMILスペックをはじめとする規格分野に関わり、長年にわたり知見を積み重ねてきた。防衛装備庁へのNATOカタログ制度導入や2020年のTier2昇格に携わり、その後の本格運用を支援している。環太平洋NATOカタログ制度セミナーなど国際会議にも出席し、日本の同分野における国際的な連携と発展のため尽力している。