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- Codification Contract Clauseとは? (1)
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- V.これからのNCS
- 技術と制度の未来 - 我々のこれから (1)
- VI.Voices from Our Colleagues
- 世界の専門家たちに学ぶ - 他国との協力・相互運用の現状と展望 (2)
- 海外業務レポート (5)
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パリ航空ショー 第3回:展示会参加編

今年も残り少なくなってまいりました。2025年の振り返りとして、6月に参加した「パリ・航空ショー」に関するコラムを全4回と番外編にわたりお届けします。
今回は、『会場の雰囲気や展示ブースの回り方など、展示会参加に役立つポイント』を中心にまとめました。これから海外展示会に参加される皆さまの一助となれば幸いです。
目次
はじめに
フランス・ル・ブルジェで開催された「パリ航空ショー(Paris Air Show)」は、航空・防衛分野で世界最大級の展示会です。
私はその初日(6月16日)および2日目に現地を訪問しましたが、国際色・スケール・雰囲気のすべてが桁違いで、言葉では表現しきれないほどの体験となりました。
本記事では、来場者目線での展示会の歩き方や印象、出展各国の特徴、そして感じた学びをお伝えします。
1. 会場への朝の移動体験:スーツ姿の「同業者」に安心感
展示会当日の朝は、ホテルから会場最寄り駅であるLe Bourget駅まで、前日に下見しておいた電車ルート(RERとメトロ)を使って向かいました。
主要の駅では明らかに展示会に向かうと思しきスーツ姿の来場者が少しずつ乗り込んできて、車内に徐々に“同志感”が漂っていくのを感じました。
言葉は交わさずとも、お互いに軽く目配せを交わすことで、初訪問の不安が少し和らいだのを覚えています。
Le Bourget駅に到着すると、シャトルバス乗り場にはすでに長蛇の列。列に並ぶことも考えましたが、時間をロスしたくなかったため、徒歩で空港へ向かうことにしました。徒歩約20分、スーツに革靴ではやや体力を使いますが、道中で立ち寄った売店で1リットルのミネラルウォーターを購入しておいたのは正解でした。
また、道すがらには多くの警官隊や警備車両が配備されており、厳重なセキュリティ体制が敷かれていたことにも安心感を覚えました。
こうした朝の動線一つとっても、「このイベントが国家規模で守られている」ことを実感できます。
2. 会場の規模と構成:空港をまるごと使った巨大展示

会場はル・ブールジェ空港の一部を使用しており、5つの屋内ホール+屋外展示スペースで構成されていました。
各ホールは地域・国・産業分野ごとに分けられており、屋外では実機の展示や飛行ショーも行われていました。

ホール4には日本エリアが設置されており、SJAC(日本航空宇宙工業会)およびその関連企業、さらに愛知県関連の企業がブロック形式で出展。各社はミニチュアや画像パネル、パンフレット、記念品などを用意し、来場者に向けたPRを展開していました。
3. 世界各国の出展ブース:国ごとの“らしさ”が光る
展示会に参加して最も印象的だったのは、出展各国の「個性」が非常に色濃く表れていたことです。
- ・中東諸国は赤絨毯にラグジュアリーなソファという豪華な装飾で「見せるブース」を徹底。スタッフの衣装含め、ブランディングが明確でした。
- ・韓国は米国風の大型展示で目を引き、「ここに投資している感」が伝わる構成。
- ・中国はブース自体は控えめな印象でしたが、多くの関係者が各国のブースを積極的に回っており、まるで“ワンチームで情報収集”しているかのような統制を感じました。
- ・開催国フランスは圧倒的な存在感。軍との連携もあり、屋外展示・グッズ販売・飛行ショーなどすべてが主役級の盛り上がりでした。
- ・米国はホールをまるごと1つ占有し、各州単位で中小企業をまとめた構成。中央に国旗と州旗を掲げたブース構成は、いかにもアメリカらしい印象でした。
4. 会場の空気感:「ビジネス」だけではない人の熱気

展示会初日は特に、再会の場・交流の場としての側面が強く出ていたのが印象的でした。
軍関係者や業界OBらが久しぶりの再会を喜ぶ姿、立食・握手・記念撮影といった「パーティ的な雰囲気」が随所に見られました。
一方で、新興企業のブースでは人の流れがやや乏しく、展示や見せ方によっては厳しい状況も。とりわけ電子基板や加工技術など、派手に演出しにくい”技術”を扱う企業は、プレゼン手法の工夫が必要だと感じました。
熱気は時間を負うごとに帯びていき、屋外の気温や日差しも強くなっていきます。パリの街中でも見かけることができますが給水所が屋外展示の至る箇所で設置されていました。パリでは水道事情が改善されたこともあり、空港含めトイレ付近に無料の給水所の利用を促すことで熱中症対策としているようです。これが非常に助かりました。
5. 航空ショーと観客層:まさに“祭典”の場

屋外では随時戦闘機や輸送機によるアクロバット飛行が行われており、現役軍人からファン層まで、あらゆる人々が空を見上げてスマートフォンを構えていました。
特に印象的だったのは、学校の引率で訪れていた地元の小中学生や、遠足のような団体来場者。展示会でありながら、地域に根ざしたイベント性も兼ね備えていることが分かります。こうした一般参加者との距離感こそがあらゆる関係性の土台となっているのだと強く感じました。航空や防衛といった普段では目にする機会の少ない分野においても広く門戸を構え、世界各国の実機や関係者と触れ合える時間を作ることこそが未来への最大の投資であると思います。

6. 実感として得たこと
この2日間を通じて感じたのは、世界の航空・防衛分野における“顔が見える交流”の重要性です。
表に出る製品・技術だけでなく、それを取り巻く人間関係・ネットワーク・文化の力を強く感じる場面が多くありました。
こうした場で、企業がより存在感を示していくには単なる展示だけでなく、「つながる」「語られる」「見られる」工夫がより一層重要になると感じました。
まとめ
パリ航空ショーは、単なる見本市ではなく、世界の航空・防衛業界における“ハブ”のような場所です。展示する企業、訪問する関係者、その全員が「何かを得よう」として参加しているその空気感に、身を置くだけでも価値があると感じました。
次回は、帰国前後の動きについて振り返ります。
本コラムの著作権は、一般社団法人日本類別協会に帰属します。無断転載・複製を固く禁じます。
YOUSUKE HATTORI
About Me
1985年東京都生まれ。一般社団法人日本類別協会代表理事。学生時代よりMILスペックをはじめとする規格分野に関わり、長年にわたり知見を積み重ねてきた。防衛装備庁へのNATOカタログ制度導入や2020年のTier2昇格に携わり、その後の本格運用を支援している。環太平洋NATOカタログ制度セミナーなど国際会議にも出席し、日本の同分野における国際的な連携と発展のため尽力している。