Column
Category
- I.NCSを知る
- 制度の基礎と仕組みを学ぶ - NCSとは何か? (4)
- NSNとNCAGEの基本 (1)
- STANAG (3150~) の役割 (0)
- 日本の制度との関係性 (1)
- II.NCSの最新動向
- 国際ルールと制度のいま - III.実務と事例で学ぶ
- NCS活用の現場から - NMCRLを使った市場調査 (0)
- 協会支援の活用事例 (1)
- 輸出関連の手続きサポート例 (0)
- IV.用語と制度のポイント解説
- Codification Contract Clauseとは? (1)
- NCAGE取得の注意点とFAQ (0)
- 用語解説 (6)
- V.これからのNCS
- 技術と制度の未来 - VI.Voices from Our Colleagues
- 世界の専門家たちに学ぶ - 他国との協力・相互運用の現状と展望 (2)
- 海外業務レポート (1)
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パリ航空ショー 第1回:出張準備編

今年も残り少なくなってまいりました。2025年の振り返りとして、6月に参加した「パリ・航空ショー」に関するコラムを全4回と番外編にわたりお届けします。
今回は、『出発前の準備に焦点を当て、持ち物・スケジュール設計・事前の情報収集など、初めて参加する方でも迷わないためのポイント』を中心にまとめました。 これから海外展示会に参加される皆さまの一助となれば幸いです。
目次
はじめに
防衛・航空宇宙業界における国際展示会は、技術や市場動向の収集だけでなく、官民のネットワーク構築の場としても非常に重要です。
その中でも、フランス・パリ郊外で開催される「パリ航空ショー(Salon du Bourget)」は、NATO加盟国をはじめとする各国政府関係者や、主要メーカーが一堂に会する世界最大級のイベントです。
本シリーズでは、私が初めてこの展示会に参加した経験をもとに、渡航前の準備から帰国後までを数回に分けてご紹介します。
今回はその第一回として、「出張準備」の観点から、読者の皆さんに役立つ具体的な情報をまとめました。
1. 渡航日程とフライト予約:スケジューリングは早めが鉄則
展示会公式サイトでビジネスデーの開催日程を確認し、それに合わせて渡航スケジュールを立てるのが基本です。
航空券は、展示会直前になると価格も高騰し、直行便の座席確保が難しくなります。特にエールフランスや全日空などの直行便は早々に満席になることがあるため、出張が決まり次第すぐに予約しておくことをおすすめします。
2. 入国・渡航関連の手続き:ビザ不要でも事前の確認を
日本国籍であれば、90日以内の滞在ならビザは不要ですが、防衛関係の渡航の場合は、入国時に業務目的や訪問先について簡単な質問を受けることもあるとのことで、私は展示会の来場登録証(QRコード)を印刷して持参し、念のための備えとして活用しました。
ただし、2026年以降は、ETIAS(エティアス)という電子渡航認証の事前申請が必要になる可能性があることから、最新の情報を確認しましょう。
また、**海外旅行保険(業務用)**の加入もお忘れなく。特に展示会場では人混みや移動が多く、突発的なトラブルに備える必要があります。
3. エアショーの入場準備:事前登録を忘れずに
パリ航空ショーへの入場には事前オンライン登録が必須です。来場パスはパスポート番号を伴う個人単位の発行で、紙で持参することをお勧めします。
万が一、紙で持参することを忘れたり紛失したとしても現地で印刷することができるかもしれません。そのためにも受け取ったメールやPDFを開くことのできるようにしておきましょう。
4. 現地の決済事情:実質キャッシュレス社会
驚いたのは、現金を使う機会が一切なかったことです。飲食店、交通機関、展示会場、どこでもクレジットカードやタッチ決済が主流。私は念のため1万円分を日本でユーロに換金して持参しましたが、最後まで使うことはありませんでした。
一方で、現地ATMでキャッシングを試みたところ、事前に設定したキャッシング制限が影響して使えず焦る場面も。Revolutなどの海外対応プリペイドカードを事前に準備しておくと、こうした不安を回避できます。
5. 宿泊予約:立地と治安を優先、早期確保が必須
展示会期間中は、ホテルの予約競争が非常に激しいです。特に治安の良い地域やアクセスの良いエリアは、探している段階ですでに埋まってしまっている印象でした。
今回は比較的安全なエリアとされた11区のNation駅付近を確保できたため、滞在中は落ち着いて過ごせました。ちなみにパリ五輪以降は街の治安も改善傾向にあり、物乞いこそ見かけたものの、スリや詐欺のようなトラブルには遭遇しませんでした。
6. アプリ:あると断然”ラク”になる
なくても代替策はありますが、現地での行動をスムーズにするため、以下のアプリを事前にインストールしておいたことが非常に役立ちました。
- ・Paris Air Show公式アプリ:会場マップや出展者検索に
- ・Air Franceアプリ:フライト情報の確認・オンラインチェックイン
- ・Airalo:フランス用eSIMで即ネット接続
- ・IDF Mobilités/Trainline:パリ市内の公共交通機関の運行確認、展示会場外への移動に(TGV含む)
- ・Googleレンズ:仏語の表示やメニューのリアルタイム翻訳に
これらの使い方や導入のコツについては、別記事で詳しくまとめたいと思います。
まとめ:出張成功の鍵は「情報と余裕」
海外出張、特に防衛関連での渡航では、入国・展示会・宿泊・決済のあらゆる場面で事前準備がものを言います。
余裕のあるスケジューリングと、現地で「困らない」ための情報収集が、快適で安全な出張につながります。
次回の記事では、フランス到着後の現地交通・宿泊・展示会初日の動き方について、実体験を交えながら詳しくお伝えします。
本コラムの著作権は、一般社団法人日本類別協会に帰属します。無断転載・複製を固く禁じます。
YOUSUKE HATTORI
About Me
1985年東京都生まれ。一般社団法人日本類別協会代表理事。学生時代よりMILスペックをはじめとする規格分野に関わり、長年にわたり知見を積み重ねてきた。防衛装備庁へのNATOカタログ制度導入や2020年のTier2昇格に携わり、その後の本格運用を支援している。環太平洋NATOカタログ制度セミナーなど国際会議にも出席し、日本の同分野における国際的な連携と発展のため尽力している。